さて、いよいよ塗料の種類を紹介していきます。外壁塗装に用いられる塗料の種類は代表的なものが5つ。「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「光触媒塗装」があげられます。「光触媒塗装」に関しては特殊なものなので、こちらをお読み下さい。
これらの塗料も溶剤の種類によって、水で溶かす「水性塗料」と、油やシンナーを溶剤として使う「溶剤タイプ」の2種類分けられます。
さらに溶剤タイプは「1液タイプ」と「2液タイプ」に分かれます。1液タイプは読んで字のごとく、缶を開ければそのまま使えるタイプ。2液タイプは主剤と硬化剤の2つの材料をあわせて使うタイプです。
その目的によってこれら様々な塗料を使い分けていくのですが、耐久性や機能によって「アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素」の順でグレードが存在します。現在では、アクリル塗料はあまり使われなく、最もバランスのいいシリコン塗料が人気です。
耐久年度を細かく見ていくと下記図の通りです。 メーカーによって独自の機能を持たせた塗料もありますが、おおよそこのようになります。
同じ量ならフッ素塗料はアクリル塗料と較べると確かに高価ですが、耐久年数を考えると、フッ素の方がコストパフォーマンス的に優れていることにもなります。
また、塗料には様々な外壁に対応するために機能が付加されているものがあります。モルタルに発生するヒビ(クラック)に対応するのは「弾性塗料」です。外壁にヒビが発生している場合、塗装によってこれを埋めてやる必要があるのですが、弾力を持った弾性塗料がこれに適しているのです。
外壁にカビが発生している場合には、「防カビ剤入りの塗料」。
汚れが気になる外壁には汚れをつきにくくする「防汚塗料」などがあります。
一般にヒビに対応する弾性塗料は、弾力がある分若干汚れやすい傾向にあります。逆に防汚塗料は、弾性がないのでヒビへの対応は向きませんが、汚れにくいと言った特徴があります。また、シリコン系の弾性塗料は、「対ヒビ」「防カビ」「防汚」に優れるオールマイティーな塗料で、外壁の劣化がすべてに及ぶ場合には有効です。しかし、いくら万能選手のシリコン系塗料でもそれぞれの機能に特化した塗料にはかないません。
塗料の選定は以上の予備知識を持って、好みの色も考えつつ塗装業者と充分話し合って決めましょう。
>> Vol.04 塗装業者選びのチェックポイント!
日本で特許が認められるようになったのは1885年。記念すべき特許第一号は堀田瑞松による「堀田錆止塗料及びその塗法」でした。それまで海水による浸食のため半年ごとに塗り直していた船底の塗装を、漆を主成分とする独自の塗料の開発と、多層構造を形成する塗法により、3年間は発錆しないという画期的なものでした。さらにその数年後には、塗料を改良し、防錆だけでなく、防汚にも効果を発揮する塗料を開発。防藻、防貝性にも優れた実用性の高い塗料が完成し、世界から大いに注目を集める技術となりました。