■目次
下塗りの必要性と種類と単価
-下塗りの必要性
-下塗り塗料の種類と単価
-その他(プラサフ、バインダー、サーフェサー)
下塗りに関するよくある質問
-エポキシとは?
-エマルション(エマルジョン)とは?
-カチオンとは?
-下塗りと中上塗りで塗料メーカーが違っても大丈夫ですか?
-下塗りをしない塗料もあるんでしょうか?
下塗りは、基本的に外壁にシリコン塗料やフッ素塗料を塗る前行う工程です。下塗り作業が必要な理由は、
・中上塗り塗料の密着性を高める
・下地の吸い込みを抑える。(目止め)
・塗装表面を整える(滑らかにする) などが挙げられます。
中上塗りに使用される塗料には、密着性はほとんどありません。そのため、下塗り塗料を塗ることで密着性を高め、塗膜の早期剥がれなどを防ぎます。
下塗りをしないで中上塗り塗料を塗装した場合、下地(外壁)に塗料が染み込み、上塗り塗料の色がぼやけるなどの不具合が生じ、均一な仕上がりにはなりません。そのため、下塗り塗料で下地の吸い込みを抑えることで、色ムラがなく仕上げることができます。
※1回目の下塗りで下地の吸い込みが激しい場合は、下塗りを2回する場合があります。
外壁に細かなひび割れなどの軽度の劣化がある場合は、下塗り塗料を厚く塗ることで、ひび割れを埋め補修することができます。
下塗りに使用する塗料の主な種類は2つです。見積書に下塗りの記載がない場合は、下地処理の項目に含まれている場合があります。
シーラーの役割は、下地の吸い込みを抑えることと、中上塗り塗料の密着力を高めることです。業者によっては、シーラーは吸い込みを抑える塗料で、プライマーは密着力を高める塗料と分けて認識していますが、シーラーもプライマーも同一のものと考えて問題ありません。
主に使用される下地種類 ※塗料により使用できない下地もあります
・木部
・サイディング
・ALC、RC
・モルタル
・鉄部(プライマーを使用)
フィラーは、主にモルタル外壁やコンクリート外壁に使用される下塗り材です。フィラーは、シーラーよりも粘度が高く厚塗りになります。そのため、微細なクラックや小さな穴などの凹凸部分をフィラーで埋めることで、塗面を滑らかにすることができます。
フィラーは、シーラーと同様の機能を備えていますが、シーラーよりも浸透性が低いため、下地の吸い込みが激しい場合は、シーラーを塗布してからフィラーを塗布する場合もあります。
また、一般的にサイディングにフィラーを使用することはありません。そのため、サイディングにフィラーを使用すると業者から提案されている場合は、塗料名と理由を業者に確認することをオススメします。
グレード | 耐久年数 |
ワイトフィラーA | アステックペイント |
エピテックフィラーAE | アステックペイント |
ロックSBフィラー | ロックペイント |
アレスダイナミックフィラー | 関西ペイント |
パーフェクトフィラー | 日本ペイント |
バインダー: 吸い込みの少ない下地に対して使用する塗料です
サーフェーサー(サーフェイサー、サーフ): フィラーとシーラーの機能(下地調整、下塗り、中塗り)を備えている塗料です。
プラサフ: サーフェーサーとプライマーを合わせた塗料です。
金属やガラス、木材、コンクリートなどいろいろな素材の接着に使用できるほど、接着力が強いです。また、水や熱への耐性も強いため、塗布面の腐食を防ぐ効果が期待できます。そのため、金属への下塗り塗料としてエポキシ系塗料が多く存在します。
油性と水性が混ざり合っている塗料を示します。そのため、水性塗料のように塗りやすく無臭です。また、油性の塗料のように密着性も高いです。
カチオンとは、陽イオンという電気を帯びたイオンのことです。反対に陰イオンをアニオンと言いいます。コンクリートやモルタルなどの下地は、アニオン(陰イオン)を帯びています。そのため、塗料にカチオンを含ませることで、電気的に素材同士が強く結合し、密着性が向上します。
はい、大丈夫です。下塗りと中上塗り塗料が、別々の塗料メーカーの塗料で見積もりが出されている場合がありますが、業者が下地の状態に適した下塗り塗料を選んでいるためです。 また、中上塗り塗料の中には、専用の下塗り塗料というものがありますが、同様の理由で、常にこの専用塗料が使用されるわけではありません。
塗料名 | 塗料メーカー |
ナノコンポジットW | 水谷ペイント |
サーモアイ | 日本ペイント |
ヤネMシリコン | 関西ペイント |
アレスシックイ | 関西ペイント |
はい、あります。一般的な塗装では、下塗りを行いますが、例外として、下塗りをしない塗装もあるので注意が必要です。
クリヤー塗装をする場合は、下塗りをせず、中上塗りの2回塗りとなります。
塗料名 | 塗料メーカー |
UVプロテクトクリヤー | 日本ペイント |
シルビアUVカットクリヤー | 日本特殊塗料株式会社 |
クリーンSDトップ | エスケー化研 |
ケンエースG-Ⅱは溶剤塗料なので、付着性が高いです。そのため、塗る表面の劣化が激しくない場合は、下塗り無しで塗ることが多くあります。