外壁塗装の工程は、建物の劣化状況、塗装する箇所の素材によって多少異なりますが、大まかな工程は一緒です。
【仮設工事】⇒【劣化状況の確認と補修】⇒【高圧洗浄】⇒【養生】⇒【下地処理】⇒【下塗り】⇒【※タスペーサーの設置】⇒【中塗り】⇒【上塗り】⇒【付帯部の塗装】⇒【職人による点検、清掃、養生撤去】⇒【施主との点検、手直し】⇒【最終チェック、足場解体】
※タスペーサーの設置作業は、屋根材がコロニアル(スレート、カラーべスト)のみに行う作業です。
足場の設営と建物外周を覆う養生シートの設置を行います。足場の組み立ては、塗装業者ではなく、足場専門の業者が設営している場合が多いです。また、足場の組み立ての際に騒音が発生するので、ご近所さんに事前に説明することをお勧めします。
建物の劣化状況を確認し、劣化がひどい場合は塗装面を整え、この後におこなう高圧洗浄の水が建物内部に侵入するのを防ぎます。0.5㎜以上のクラックがある場合は、※V字(U字)カット工法で補修します。また、コーキング(目地部分)が先打ちの場合は、この段階で行います。
高圧洗浄機を使い、旧塗膜や汚れ、コケやカビを洗い流します。鉄部の高圧洗浄は業者によって判断が異なります。高圧洗浄後は塗装面を乾燥させる必要があるので、その日に塗装は行いません。
開口部や車、植物などの塗料がついてはいけない場所をビニールシートで覆います。
主に鉄部での作業になります。ケレン作業で塗装表面を整え、その後サビ止め剤を塗布します。業者によっては見積書の「下塗り」の項目に含まれている作業になります。
中上塗り塗料の密着性をよくするために下塗り材を塗ります。「塗装は3回塗りが基本」の1回目の工程になります。下地へのが浸透が1回で足りない場合は、下塗り材を2回塗布することがあります。
下塗りが終わったら、屋根材と屋根材の間にタスペーサーを設置します。これにより、塗膜が隙間を埋めることなく通気性を確保できます。
下塗り材が乾燥したら、シリコン系やフッ素系などの中上塗り材を塗布します。中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。上塗り材を塗布するタイミングは、中塗りが完全に乾燥してからです。乾燥する時間は塗料によって異なるので、中塗り上塗りを1日で行う場合もあります。
家屋に付随する鉄部、木部を塗装します。鉄部、木部は、下地の状況により塗装回数は2~3回と異なります。付帯部の塗装は外壁で使用する塗料と同じくらいの耐久年数の塗料で塗装してもらう事がオススメです。
業者が塗り残し、または不備がないか確認します。その後、養生を撤去し、清掃を行います。
施主と業者が一緒に建物全体を確認します。その際、施主が気になる部分があれば修正します。
再度施主と業者が一緒に建物の確認をします。その後、足場を解体します。足場の解体は、組み立てるとき同様に騒音が発生します。
外壁塗装工事の工期は、建物の大きさと塗装箇所の数などによって変わります。そのため、着工から完工までの日数は約2週間~3週間となります。そのうちの業者の実働日数は約10日~15日間です。
ですが、工期は天気や塗装する建物によって延びる場合があります。参考として、下記に工期が延びる主な要因を記載しました。
気温5度以下、もしくは湿度85%以上の場合は、塗膜に不備が発生するため塗装作業は行いません。そのため、天気が雨、雪、強風の場合は、基本的に塗装作業はお休みです。
外壁材が金属サイディングの場合、塗装面全てにケレン作業を行わなければいけないため、下地処理に時間がかかります。また、サイディングやALC外壁などの目地がある外壁材は、コーキングを充填するため時間がかかります。
クラックや爆裂箇所などの傷みが激しい欠損箇所が多い場合は、塗装前に補修が必要になります。また、下地材の状態が悪いと下塗り材の浸透性が低いので、下塗り材を2回塗布する場合があります。
隣の家との間隔が狭い場合、職人の行動範囲が狭まるので、通常よりも慎重に塗装を行わなければいけないため時間がかります。また、日当たりが悪い箇所は乾燥に時間がかかるので、次の工程まで時間がかかります。