塗装を検討するタイミングは、一般的に約10年に1度の間隔で行うことが良いとされています。
ですが、建物の立地条件などで、建物ごとに塗装のタイミングは違います。塗装を検討する基準として、まずは建物に発生している劣化状況を確認しましょう。
■症状
・外壁にひび割れ跡が発生する
■原因
・振動(地震、車による振動)
・温度差により塗面が伸び縮みすることによって生じる
・施工不良
■放置するとどうなるか
・クラック箇所から水が侵入し、建物内部の腐食や雨漏りの恐れがある
■症状
・触ると、白い粉が手につく
■原因
塗膜の経年劣化
■放置するとどうなるか
・塗膜が完全になくなり、塗膜による保護ができなくなる
■症状
・塗膜の粘着力がなくなり浮き上がる
■原因
・サイディングが直張りになってい
・サイディングに弾性塗料を使用した場合
・施工不良
■放置するとどうなるか
・建物の内部に雨や紫外線が直接あたり、建物の寿命を縮める
■症状
・色あせ
・艶の減少
・変色
■原因
・紫外線を浴び続けることで生じる
■放置するとどうなるか
・美観を損なう
■症状
・藻の発生(緑色)
・カビの発生(黒色)
■原因
・湿気の滞留
・自然が近くにある場合
・空気汚染
■放置するとどうなるか
・カビは、体調不良を引き起こす可能性がある(個人差あり)
■症状
・鉄部が赤黒くなる
■原因
・塗膜がなくなることで、鉄部に水が直接当たり生じる
■放置するとどうなるか
・腐食し、穴をあけてしまう可能性もある
■症状
・コンクリート内部にある鉄筋が露出している現象
■原因
・鉄筋がさびて膨張することで、内側からコンクリートを破壊する
■放置するとどうなるか
・爆裂箇所からまたサビが広がり、他の個所も同様の現象が起こる
■症状
・サイディングボードが剥がれ落ちる現象
■原因
・サイディング内に侵入した水が凍ることで体積が大きくなり、内側からサイディングボードを破壊する
■放置するとどうなるか
・爆裂箇所から水が入り、建物内部を損傷させる
低い | 中 | 高い |
クラック 浮き、剥がれ サビ 爆裂 凍害 |
ヘアークラック(0.3㎜以下) チョーキング |
カビ、藻 色の変化 |
劣化箇所の確認は、塗装のタイミングを判断する基準となります。加えて、下記の内容も知っておくと、より詳しく塗装のタイミングを判断することができます。
■新築の場合
新築時に使われた塗料は、あまり耐久性が高くなく、耐久年数は約5年~8年です。そのため、築5年以降は、年に一度のペースで建物の状態をチェックしましょう。
■新築以降に1度でも塗装経験がある場合
前回使用した塗料の耐久年数を確認し、記載されている年数になったら、建物の状態をチェックしましょう。
グレード | 耐用年数 | 塗料例 |
アクリル | 5年~8年 | ・水性コンポアクリル ・オーデグロス |
ウレタン | 8年~10年 | ・ファインウレタン ・セラMレタン |
シリコン | 10年~15年 | ・セラMシリコン ・ファインシリコンフレッシュ |
ラジカル | 12年~15年 | ・パーフェクトトップ ・プレミアムシリコン |
ピュアアクリル | 15年~20年 | ・EC-5000PCM(-IR) |
フッ素 | 15年~20年 | ・ファイン4Fセラミック ・クリーンマイルドフッソ |
光触媒 | 15年~20年 | ・ハイドロテクトコート ・ピュアコートANプラス |
無機 | 20年~25年 | ・クリスタコート ・タテイル |
■日当たりがいい
日当たりがいい場所は、塗膜の劣化が早く、変色や色あせを起こしやすくなります。
■風通しが悪い
風通しが悪いと、湿気が滞留します。その結果、カビが発生する恐れがあります。
■交通量が多い
車両が移動時に振動を起こします。その結果、建物が揺れ、クラックを起こします。
■海沿いに立地している
海沿いに立地している場合、潮風が建物に当たり、塗膜の劣化スピードを速めます。また、鉄部にはサビを発生させてしまいます。
屋根の状態は、地上からでは細かな劣化の有無が判断ができず、なかなか屋根の塗装に踏み切ることができません。
ですが、屋根は外壁より紫外線を長時間受け続けているため、外壁より早く劣化しています。そのため、外壁に劣化が表れていれば、屋根は確実に塗装が必要な状態です。
また、外壁と屋根を別々のタイミングで塗装工事を行ってしまうと、足場料金がその都度発生してしまうので、屋根の塗装は、外壁塗装と同時に行うことをお勧めします。